試作金型、絞り加工について

私達がご提供する精密試作板金加工品の中で最も得意とするものは複雑な立体的形状の絞り加工品です。絞り加工品とは、プレス加工機に試作簡易金型(パンチとダイ、通称オン型とメン型)をセットし、その間に金属板を固定し上下から圧力を加えることで理想通りの製品にしていく加工方法のことです。

絞り加工品は、自動車、モーター、生活家電、液晶、建築部品等幅広い業界で使用されています。例えば…
・部品点数を減らすために一つの部品に。
・部品を軽くしたいが強度を増したい。
・構成部品との干渉を防ぎたい。 … 等
使用する製品の目的によって絞り加工品の果たす役割は大きい存在です。

弊社では絞り加工をするために試作用の簡易金型を自社で一貫生産しているのが強みです。

私たちが製作する試作簡易金型は2種類あります。

★一つ目は軟鉄板をレーザー加工機で切断し、何層にも貼り合わせて製作する工法があります。
絞り深さに応じて切断する板の枚数が変わり板と板を溶接で貼り合わせた後、熟練の職人がグラインダーなどを使って手加工でR形状に削っていき、目的の形状になるような金型を作製します。
それによって金型を作製する上での材料のロスがなく、お客様が望まれる試作の為の品質と短納期、低コストにお応えすることが出来ます。只、軟鉄板から作製しているので対応できる数量は限られています。形状にもよりますが、軟鉄を使用している金型なので文字通り軟弱なものです。
生産可能な数量については一度お問い合わせくださいませ。
その際に図面がございましたらよりお答え出来るかと存じます。

★二つ目の試作簡易金型は鉄の塊、主にSS材のブロック鋼を機械加工で削り出して作製する工法です。私たちの保有設備の3DCAD/CAM、ワイヤー放電加工機、マシニングセンタを駆使し必要な金型サイズにカットし削り出します。この工法で製作する試作品で求められるのは、図面通りの寸法の製品です。メーカー様の社内での耐久試験評価用、エンドユーザー様への評価報告用など量産品に近い精度、品質が必要とされる製品です。また、試作品を製作する数量、材質、板厚、形状によっては量産型に用いられているSKD材から試作簡易金型を製作し焼き入れ処理も行います。
お客様の望まれる安定した品質の製品、数量を短納期でご提供することができます。

この二つの種類の試作簡易金型で絞った金属板を必要な形状にしていくのに2次元/3次元レーザーを用いて外形や穴をカットし、最終的に製品へと仕上げていきます。それは試作専門業者である
私たちがなせるわざです。

絞り加工において絞り出す量は深いものから浅いものまで様々です。私たちが主に取り扱う材料は薄板の部類となり0.4mm~2.0mm前後のものを多く取り扱ってきました。
材料によって伸びやすい(絞りやすい)、割れやすい(絞りにくい)ものがあり、長年培ってきたノウハウがあり社内で共有し技術を継承しております。

その絞り加工の段階で一番気を付けていかなければならないのは製品のクラック(割れ)です。
絞り加工を行うことで、板厚が減肉し薄くなる部分があります。
クラックが発生してしまうと、異音が発生し、耐久力が減少してしまい、製品としての機能が
果たせなくなるどころか、時によっては重大な事故につながりかねません。

また、絞り加工後に反りや歪みが発生するものもあり、こちらも試作簡易金型の作り込みに注意が必要です。試作簡易金型の構造の工夫、プレス時の工程の工夫など今までの経験に基づき社内には蓄積したノウハウがございます。
(詳しくご説明したいところですが企業秘密ですm(__)m)

絞り加工時に使用する設備は(本社)大阪工場、岡山工場に取り揃えています。油圧プレス機のラインナップは500t・300t各1台、150t2台、それと150tダイクッション付きプレス機です。

◎過去の製作実績の例として下記に挙げます。

<自動車部品>
EV、リチウムイオンバッテリー、ウィンドレギュレーター、ケーブル周辺装置、熱交換器金具、ミリ波レーダー、カーナビゲーション、安全バックル、フロントメーターパネル、自動二輪車など
<モーター部品>
EV、自動車、サーバー、パソコン、スマートフォン、ゲーム機、複写機、扇風機、産業用機械、家電製品など
<生活家電製品>
エアコンの室内/室外機、洗濯機の洗濯槽、冷蔵庫、電子レンジ、オーブン調理器、炊飯器、
電気ケトル、ガスコンロ、IHクッキングヒーター、グリル調理器、LEDシーリングライト、
液晶テレビ、デジタル・一眼レフカメラ、給湯器など
<その他>
農業機械、文具用品、オフィス家具、5G基地局、太陽光パネル、住宅手摺金具、釣銭機、錠前、電動アシスト自転車、ランドセル、自動販売機など

 これまで私たちが製作する板金絞り加工品の工程で作製する試作簡易金型の工法、今まで関わってきた製品の一部をご紹介してまいりました。これからも新商品の開発品である試作板金加工品、とりわけ絞り加工品は今後も様々な分野で求められることでしょう。
新しく高度で複雑な形状の製品に対応できるようこれからも精進してまいります。

取り扱い設備について