外注加工(パートナー企業)について

板金加工品において、その製品仕様、顧客の要望で板金生地上がり加工だけではなく、様々な付帯条件があります。私たちは試作の中でも精密な板金加工製品を社内で一貫生産し、顧客へお届けしておりますが、板金加工以外にもセットで加工してほしいという声にも対応いたしております。お客様の手間を省き、小回りが利くきめ細やかなサービスを展開していることが私たちの強みの一つでございます。顧客の厳しい品質、納期に応えてくださるパートナー企業様のおかげでお客様に喜んでいただき、私たちにとってはなくてはならない大切な存在です。

 それでは私たちの外注先様(パートナー企業様)の加工について詳しく触れてまいります。

・表面処理加工

電気亜鉛メッキ⇒主にSPCC、SPHCなど鉄素地で加工した製品に、三価クロメート(黄色)、ユニク ロ(白色)、ブラック(黒色)処理を行う。自動車、特殊車両、建築金物向けの部品に多く、
環境問題に配慮して現在は六価クロムの扱いは少なくなっています。

スズ、ニッケルメッキ⇒主にC1100、C1020などの銅材の製品を、スズ(Sn)メッキの場合は銅もしくはニッケルの下地処理を行いその上から光沢スズメッキ処理を行う。部品名はバスバーが圧倒的に多く、無光沢スズメッキも可能であるが、取り扱いには注意が必要です。ニッケル(Ni)メッキは銅材の他、稀にステンレス材に処理することもあります。

亜鉛ニッケル合金メッキ⇒文字通り亜鉛にニッケルを加えた合金メッキです。製品の素地に亜鉛にニッケルを加えたメッキ層を施し、更にその上から三価クロメート処理を行うことで耐食性、耐熱性に優れたものになります。亜鉛メッキのみだと海岸近くの地域は塩害を受けやすく錆が発生しやすいため自動車のエンジン周辺の部品などに使われることが多いです。

焼付塗装⇒塗料が乗りやすいように下地処理を行い、塗料をスプレーで吹き付け高温の窯で焼き付けて表面の被膜に強度を持たせます。雨風に打たれても錆びにくく、様々な色に対応できるため様々な業界で使用されますし、色見本に近い色を実現いたします。表面の艶の種類も艶あり、艶なし、半艶などがあります。

カチオン電着塗装⇒塗装の一種で、塗料を溶かした槽の中に製品を浸漬させて電気の力を使って表面に塗膜を乗せます。鉄の素材で自動車向け製品に多く取り扱いがあります。

アルマイト⇒アルミの製品の表面に酸化被膜を生成させる電解処理加工です。アルミの製品素地そのものの中にもアルマイト被膜が生成されるため、耐食性、耐摩耗性に優れています。ただ、メッキとは違い処理した後の再アルマイト加工は困難です。酸化被膜後の染色の色はブラック、レッド、ブルー、ゴールドなど様々な色に対応し美観性にも優れています。

・切削、旋盤加工

板金加工品に円筒状の部品などを溶接組み立て加工(ASSY)まで希望されることがあります。既製品でない部品は弊社が窓口となって手配依頼します。また、板金加工の突き出しバーリング加工では十分な高さが確保できずネジ山が稼げない場合で既製品の圧入スペーサー、スタッドボルトをこちらで購入しカシメ加工ができます。他にも単品で切削品が必要な場合、現物改造で穴を拡大したい、増やしたい場合もご相談ください。

・エッチング加工

特殊な酸性のエッチング液を金属板にかけて腐食、溶解していく工法です。金属板を溶かす部分とそうでない部分をCADで展開したデータに保護膜を貼った金属板に転写し、エッチング液にかけ、金属板が残った部分が製品となります。薄板で数量の多い微細な半導体部品などに適していますが、メッキされている材料、厚板、大きいものについては取り扱いが困難です。

・ヘラ加工

旋盤加工機に似た機械に金型をセットし、回転する金型に金属板を押し当てて成形する工法です。金属板を押し当てる時にヘラという道具を用いて加工することからヘラ絞り加工ともいいます。ヘラの先端には板を押し当てる段階ごとに適した形状のものを取り揃えています。プレス機であれば上、下(オン型、メン型)の二つの金型が必要ですがヘラ加工は一つの金型で済むのでコストが抑えることができます。照明の傘、タンクのカバー、ずんどう、ロケットの先端など丸い形状のものに使われます。

・抵抗溶接加工

スポット溶接機は自社にもあり、鉄、ステンレスの実績はございますが、銅板に関しては設備能力的に厳しいものがあります。銅板は熱伝導率が高く熱が逃げやすく電気抵抗が小さいため、能力の高いスポット溶接機の設備が必要です。実績として銅板2mm同士を重ねたスポット溶接品まで可能です。

・板金加工

私たちの板金同業者へ仕事を依頼することもあれば反対に依頼されることもあります。試作品を扱っている性質上納期的に困難な場合があります。そのように困っている時は互いに助け合い頼りになるのが同業者の存在です。また、それぞれの会社で強みが違います。保有設備、経験により得意とする加工、取り扱い材料が微妙に変わります。取引先の要望に応えるため同業者同士で助け合うこともあるのです。

取り扱い設備について